千葉県野田市の栗原心愛さん(当時10)が父親の虐待で亡くなった事件を受け、県内の児童相談所への通報件数は増え、各機関が再発防止に取り組んできた。一方、被害に遭った子どもの保護期間が長期化する課題も浮かんでいる。
「ここまでしないといけないのか」 母親が児相から突きつけられた条件
県内に住む女性(42)は2020年2月、当時小5の息子と小1の娘が児童相談所に一時保護された。
原因は父親の娘への身体的虐待だった。言うことをきかない娘の頭を父親がたたくことがあった。手が顔に当たって少し腫れたとき、学校で娘が「お父さんとお母さんにたたかれた」と言い、その日のうちに連絡を受けた児相職員が学校で娘を一時保護した。その後、息子も保護した。
父親は傷害罪で略式起訴され、母親は虐待事実がなかったと判断された。
2人の子どもが一時保護されてから約1カ月後、解除を望む母親に児相側が提示したのは、母親と子どもが父親との関係を断つという条件だった。
結婚していると居場所がわかる戸籍を見られるため、調停制度で離婚した。ローンで購入したマンションを売却し、父親が知らない場所に引っ越して子どもの転校手続きをした。思い出の品を捨て、父親につながりそうな人脈も絶った。
「ここまでしないといけないのか」
離婚までする必要があるとは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル